ダークレディと呼ばれて 二重らせん発見とロザリンド・フランクリンの真実

20世紀最大の科学的発見であるDNA二重らせん構造。その解明に貢献しながら正当に評価されず、若くしてこの世を去ったロザリンド・フランクリン。彼女の生涯を鮮やかに描き出し、二重らせん発見のドラマに新たな光を当てる決定的伝記! 福岡伸一氏監訳。

【訳者より】ノーベル賞候補に推されるべき功績を残したX線結晶学者で、1957年に37歳の若さでこの世を去ったロザリンド・フランクリンの評伝です。1968年、ジェームズ・ワトソンが著したベストセラー『二重らせん』に「気難しいロージー」として登場したのを機に広く存在が知られるようになり、”栄光を横取りされた悲劇の女性科学者”と認識されることが多かった彼女について、著者マドックスは本書で、かつてなかったほどに客観的かつ多角的な光を当てて、その生涯に迫っています。ロザリンド・フランクリンは2000年代に入ってようやく研究者としての生前の業績が評価されるようになり、2008年にコロンビア大学からホロウィッツ賞を遺贈されています。また、彼女の二重らせんにまつわる舞台劇”Photogragh 51″が、2015年にニコール・キッドマン主演でロンドンで上演されました。

著者: ブレンダ・マドックス
監修: 福岡伸一
訳者: 鹿田 昌美
化学同人